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醤油ら〜麺+味玉@蓮・墨田区森下

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写真: 醤油ら〜麺+味玉@蓮・墨田区森下

写真: 花鯛と浅利の昆布水つけそば・もち姫太麺@ルリカケス・江東区木場 写真: 〆のリゾット@ajito ism・品川区大井町

手打ち 蓮(れん)
  墨田区千歳3-16-2 リブリ・イースター菊川1階

 11月1日にプレオープンし、12月1日にグランドオープンしたばかりの新店。手打ちの麺が美味しいと話題になっているので訪れた。土曜日、開店時間の11時半少し前に着いたら既に営業しており、入店するとカウンター席7席全てと待合用の椅子5席のうち1席が埋まっていた。入口左側にある券売機を見ると、基本のメニューは醤油と塩の2種類で、それぞれ載せ物でバリエーションを増やしている。メニュー順では醤油が先だったので、追加トッピング無しのノーマルバージョンの醤油(880円)と味玉(110円)のボタンを連打した。待合椅子に座ってから10分ほどで1巡目のお客が退店し始め、以降、お店の指示に従ってカウンター席に順に移る。自分がカウンターに移って配膳されたのは11時50分とそれほど待つこともなかった。なお、お店は店主さんが厨房に陣取って調理に専念し、フロアはお母様と思われる年配女性が優しくしかしテキパキと仕切っておられた。
 配膳された丼を見ると、きれいに澄んだ醤油清湯で香味油が多めに浮いている。丼からの匂いは弱めだったので、香味油は何か確かめるためほぼそれだけをすくって口に運ぶと間違いなく鶏油だった。次いで麺を味わう。幅が5〜6mmの平打ちで相当縮れている。待合椅子の隣に製麺室がありガラス越しに見ると、製麺機はなく日本そば屋の製麺室と変わらない設備のようなので、手打ちに加えて手切りのようだ。意外に厚みがあるので、この手の麺にしてはほどよい歯応えがある。また、このような麺だと軟らかさや麺肌が溶けるような感覚を覚えることが時々あるが、この麺は北海道産小麦で作った中華麺用小麦粉の和華に岩手県産のもち性小麦「もち姫」をブレンドしているため、加水率が40%以上と相当高いのにもかかわらずそのような感覚はなく、モチモチ感が十分に味わえる。この辺りが人気の秘密なんだと思う。スープは、カウンター席の目の前の壁に掛けられた黒板に「醤油+半生がえし 冬菇(注:どんこ)水出し+etc 厳選6種配合」と書かれているが全く意味不明。分かることといえば、高級干しシイタケの冬菇の水戻し汁を出汁として使っているということだけ。ここからは完全に想像だが、鶏や豚などの動物系に若干の魚介系や昆布も一緒にして出汁を引き、そこに干しシイタケの戻し汁も加えてカエシと合わせた、という印象だ。醤油も円やかで風味が目立たない。とにかく突出したものがないスープで、そういう意味ではバランスが取れているともいえるが、麺が力強いだけにともすればスープの方が負けてしまうようにも思える。そういう観点からすると、鶏油を厚めに浮かべることにより、スープの基本を壊すことなく麺とのバランスが取れると思う。具材は炙ったものと煮豚の2種類のチャシュー、味玉、ホウレンソウ、メンマ、なると、海苔に薬味の木口切り白ネギ。チャーシューはどちらもやや厚めにスライスしてあり、周囲を炙った方は外周部の一部に脂身が付いているので肩ロースか。赤身部分はやや旨味が抜け気味だが、脂身はトロリとしていて甘味が強く美味。一方、煮豚の方は断面模様からするとウデかな。こちらはかなりパサつき気味で、口中でキシキシと鳴る一歩手前の状態。味玉は傾けると黄身がとろりと流れ出しそうで、気を付けないとスープの味を壊してしまう。また、スープに浸かっていない部分は冷え冷えだったのも気になる。色白のメンマは穂先部分で、特有の発酵臭を含めて優しい味わい、優しい食感。
 噂どおり麺は素晴らしい出来で美味しかった。この麺ならまた味わいたいと強く思う。退店時には、店内のみならず店頭の椅子にも数人が腰かけて待っていた。老若男女を問わずモチッと噛み応えのある手打ち麺を求めて来ているのだろう。具材に気配りするゆとりが出来ればより美味しくなると思う。次は塩か。

・お気に入り度:〇+

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